日本ニューロサイエンス看護学会

脳神経看護学についての情報を発信しています。

理事長ご挨拶

ご挨拶

日本ニューロサイエンス看護学会

理事長 日高艶子

この度、日本ニューロサイエンス看護学会の理事長を拝命致しました聖マリア学院大学の日高艶子と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。

本学会は、平成24年に初代理事長である田村綾子先生が徳島大学大学院在職中に、ニューロサイエンス看護学領域における卓越した教育や看護実践を行うために、エビデンスの高い看護研究を志す集団の必要性を切に願い発起人となり設立されました。次いで、平成30年に、聖路加国際大学大学院の大久保暢子先生が第2代理事長として令和6年3月まで田村先生のご意思を引き継ぎ、COVID-19禍に於いても学術集会の開催や学会誌発行の継続、さらに、各種委員会を発足し、学会の発展に寄与されました。

さて、本学会の設立趣旨、これまでの活動を踏まえ、これからを考えた時に私たちは何処に向かい何をなすべきなのでしょうか。本学会に期待されていることは何でしょうか。

周知のごとくわが国は、超高齢社会を迎え脳神経疾患の有病率の増加や在院日数の短縮が顕著となり、脳神経疾患を有した人々はこれまで以上に病や障がいと共に在宅や地域で暮らしていくことが求められています。それゆえ、ニューロサイエンス看護が対象とする人々の置かれた状況に深く関心を寄せ、極めて不確かな状況の中で生きている人々のもつ脆弱性や尊厳の尊重、自律、連帯と協働についての知識を深め実践と研究を通して探求してまいりましょう。

そして、急性期・回復期・在宅・地域のあらゆる状況に身を置く対象者の共通した課題に焦点を当て、生命と生活過程を支える卓越した看護実践のためのエビデンスの構築を目指して看護研究に取り組み、脳神経疾患を有する人々と家族の「生命」と「いのち」を支えることができますように、会員の皆様、そして一般社団法人日本脳神経看護学会の皆様と共に連帯・協働して目指す未来に向かって進んでまいりたいと願っております。

また、これまで本学会の活動に対してご賛同頂き、ご支援ご協力を頂きました関係各所の皆様におかれましては、今後とも変わらぬご支援を賜りますように、どうぞよろしくお願い申し上げます。

令和6年6月30日

日本ニューロサイエンス看護学会 設立趣意書

謹啓 皆様におかれましてはそれぞれの部署でご活躍のこととお喜び申し上げます。さて、かねてより看護領域に携わる中で、脳神経看護領域における専門学術誌が発刊されていないことが指摘され、学術的見地から脳神経看護学の発展を期待して、脳神経領域の看護学会の設立の必要性を非常に声高く話し合われて参りました。脳神経看護領域の研究が進まない理由の一つとして、脳神経看護領域での対象者のコミュニケーションが得にくいこと、脳神経疾患の回復過程を確認する経過が長いことなどにより、学術的に論考しにくいことや適切な評価指標が得にくい状況にあると指摘されておりました。これらの問題は、残念ながら現状においては解決手段を得ていない状況といえます。しかし、一つの明るい方向として、日本看護学会が特定する「脳卒中リハビリテーション看護」認定看護師が誕生し、脳神経看護領域の学術的な基盤形成が整えつつあるといえます。

このような現状を踏まえ、日本ニューロサイエンス看護学会の設立をここに提案を致します。設立に際しては、この日本ニューロサイエンス看護学会では、脳神経看護学会の学術の向上を目指すとともに、「日本学術会議協力学術研究団体」および「日本看護系学会協議会」への入会ができるための準備も整え、学術団体としての活動を積極的に行っていきたいと考えております。設立の目的は、脳神経看護・教育についての深い学問的見地の探求をめざし、エビデンスの高い看護研究を志す集団として活動を行うことと考えております。この設立の趣旨に賛同をいただき、学術団体としての活動を円滑に推進してゆきたいと考えております。多くの賛同者が集まることを、ここにお願いを申し上げる次第です。

謹白

平成24年3月16日

発起人
徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部
教授 田村 綾子